2016年2月17日

01. インドア派インドへ突入

 

ネパール国境を越えて、数分後。

インド側のイミグレーションに到着した。入国手続きを済ませて、インド国境の町バンバサへ馬車は向かう。

 

馬車に乗っている途中、大きな川が姿を現し、そこには巨大なダムが建設されていた。

 

ほぇー。インドにもダムあるんだな。(・д・)
(そりゃあるだろ)

 

ダムを渡りきりしばらくして、国境の町バンバサに到着した。

 

 

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国境の町、バンバサ。
特になんの変わりばえしない普通の田舎町といった感じだ。

バスステーションの近くで馬車は停車したので、そのままバスの切符売り場へ向かった。

昨日インドの地図を見ながら考えた結果、これから向かう場所はヒマラヤ山脈西側、ヒマーチャル・プラデーシュ州に決めた。

 

とにかく、この時季の茹だるような暑さから逃れるためには、標高が高い場所に行くしかない。

バスの切符売り場へ足を運び、窓口の老夫に尋ねる。

 

「すいませーん。バスの切符欲しいんですけど」
(・ω・)

「はいはい、何処行きのバスだい?」

 

「ヒマーチャル・プラデーシュ州に行きたいんですが」

 

「ヒマーチャル・プラデーシュ州かい?そこに行くバスはここからは出ていないねぇ」

 

「え、そうなんですか?」

 

「その方面に行きたいならチャンディーガル行きのバスに乗って、そこでバスを乗り換えなさい。チャンディーガルは大きな街だからそこからなら何処にでも行けるさ」

 

「分かりました。じゃあチャンディーガル行きの切符1枚ください」

 

そう言って財布を取り出し、切符代を支払おうとした時、あることに気づいた。

 

あ、しまった。インドルピー持ってない。
Σ(・д・)

国境でインドルピーに両替してくるの忘れていた。


「あのー、すみません、ネパールルピーで支払いは出来ますか?」

 

「ネパールルピー?駄目だね。インドルピーじゃないと」

 

…………ですよね(泣)

 

両替してくるかー。

面倒クセー。( ´д`)

 

バックパックを背負ってバンバサの町を歩く。

 

「へーい、お兄さん!リクシャー使わない!?」

 

歩き始めるとさっそく、リクシャーワーラーが声を掛けてきた。

 

……いきなりか。(`‐ω‐´)

 

前回のインドの旅の影響もあり、俺はインドのリクシャーワーラーには全くと言っていいほど良い印象を持ち合わせていない。

 

インドにはどのような思い出がありますか?

と尋ねられると、真っ先に思い浮かべるのが、幾度となくリクシャーワーラーに憤慨させられたことである。ってか、それ以外思い浮かばない。


「リクシャー使わないー?」

 

リクシャーワーラーはペダルをキコキコ漕ぎながら声を掛けてくる。

 

「いや、歩くんで大丈夫です」

 

「何処に行くんだい?」

 

「銀行」

 

「銀行か、そこは遠い。リクシャーで行くのが一番だよ

 

リクシャーワーラーの男はそう言うが、約200m先に銀行があるのが見えている。

 

「いや、遠くないでしょッ!ほら、あそこにあるの見えてるじゃんッ!」
Σ(゚д゚)

 

「チッ、バレたかッ!」

 

ケタケタ笑いながらリクシャーワーラーの男は自分についてくる。

 

うーむ……。(´-ω-)

隣国のネパールは謙虚な人が多いのに、何故インドに入った途端に、うっとうしさを感じさせるのだろうか。

初っ端に出会ったリクシャーワーラーがこんな感じじゃ、今後のインドの旅が恐ろしいぜ……。
(´д`lll)

 


自分の横に並んで、リクシャーワーラーの男は話しかけてくる。

 

「兄さんは何処の国の人?」

 

「日本です」

 

「おぉー!日本か!素晴らしい国だ!」

 

「ありがとう」

 

「んで、銀行には何しに行くの?」

 

「両替です。ネパールルピーしか持ってないんで」

 

「そうかそうか。兄さん、俺にはネパールルピーの支払いでもOKだぜ!リクシャー使わないか?」

 

「いや……、もう銀行目の前なんでリクシャー乗る意味ないよ
(‐ω‐lll)

 

「はっはっは!面白い兄ちゃんだな!」

 

いや、なにがやねんッ!
普通のことしか言ってないけどッ!
ΣΣ(゚д゚lll)

 

「じゃあ両替が済んだらバス停まで乗せていってあげるよ!ここで待ってるから!」

 

「待っててもいいですけど、リクシャーは使わないですよ」
(`‐ω‐´)

 

リクシャーワーラーの男にそう言い残し、銀行に入った。

 

「すいませーん、両替をお願いしたいんですが」

 

自分がそう言うと、銀行の職員が言った。

 

「両替かい?この銀行じゃ両替は取り扱ってないんだ」

 

「えっ、そうなんですか?」

 

じゃあ他の銀行へ行くか……。
(・ε・)

 

そう考えると、職員が更にこう付け加えた。

 

「というより、この町の全ての銀行は両替を取り扱ってないぞ

 

マジですか!?
ΣΣ(゚д゚lll)

 

「ATMがあるじゃないか。カードで引き出せばいい」

 

何驚いた顔しているんだというように職員は答えた。

 

「いや、実は現金とトラベラーズチェックしか持ってないんですよ……」
(・ω・`)

 

あーなるほど…。と職員は納得した後にこう言った。

 

いくつかの商店だったら、ネパールルピーからインドルピーに両替してくれるはずだよ

 

「そうなんですか。ありがとうございます」

 

職員に礼を言い、銀行を出る。

 

 

外に出ると、先ほどのリクシャーワーラーの男が待ち構えていた。

 

やっぱりいたか……。
(´д`)

 

「ヘーイ、兄さん。両替済んだ?」

 

「いや、ここじゃ両替できないって言われました。おじさん、ネパールルピーからインドルピーに両替可能な商店知ってますか?」

 

「あぁ、知ってるさ。乗りな!」
(`・ω・´)キリッ

 

仕方ない……、乗るか……。

この暑い中、歩いて一軒一軒商店を回るのは面倒だ。それ以前に、インドルピーを手に入れなければこの町から脱出できん。


「リクシャー代、いくらですか?」

 

リクシャーワーラーの男に尋ねる。

 

「100ネパールルピーでどうだ?」

 

ぼったくり価格じゃねぇかッ!
(( ;゚Д゚))

 

「却下」

 

「分かった分かった。50ルピーでいいさ」

 

そんなやり取りをした後にリクシャーに乗り、商店に案内された。

 

「すいませーん。両替をお願いしたいんですけど」

 

「はいはい、何ドル両替だい?

 

「いえ、ドルではなくネパールルピーなんですが

 

「ウチではネパールルピーの両替は扱ってないよ」

 

「あー、そうですか〜」


ってオイッ!!リクシャーのおっちゃん!
両替できる商店知ってるんじゃなかったのかよッ!!
Σ(゚д゚)


インド人のリクシャーワーラー……、もう頼むから嘘をつかないでくれ……。


「リクシャーのおっちゃん、ここの商店両替できないですよ」

 

「そうか。じゃあ別の商店に行こう!」

 

そんなわけで、2軒目の商店で両替をすることが出来た。

1インドルピーが1.8ネパールルピーと少々レートが悪かったが仕方ない。

2000インドルピーを両替で手に入れ、バスステーションに戻った。

 

「おじさん、インドルピーに両替してきたよ。チャンディーガル行きの切符ください」

 

「おぉ、さっきの少年。残念だな、チャンディーガル行きのバスの席はもう無いよ

 

「マジですか!?」
ΣΣ(゚д゚lll)

 

「マジだよ。つい先ほど、いっぱいになった」

 

なんてこったい……。
(´・ω・`; )マイッタ

 

「あのー、他のバスでその方面に向かうバスはありますか?」

 

「あぁ、夕方に出るアムリトサル行きのバスに乗ってアンバラで降りるといい」

 

「じゃあ、そのバスの切符1枚」

 

アンバラって何処だ?
(・ε・)

 

地図を見てみると、デリーより200kmほど北にある町である。

アムリトサル行きのバスが出発する夕方の時刻まで、水分補給しながら木陰で休んでいた。

 

こう暑いと動かなくても体力消耗するなぁ……。
早く標高が高い場所に行きたい……。
(;´д`)

 

 

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売店のおじいさん。「インドへようこそ!」とにこやかに言われた。

 

 

夕方、バスがバンバサの町を出発した。

このバスは現地の方の財布にも優しいローカルバスなので、もちろん冷房は付いていない。

椅子も硬いシートなので座り心地は良いとはとても言えたものではない。

 

長時間の座ると尻が痛くなる。
(´;ω;`)

 

極めつけに車内はインド恒例の人間すし詰め状態なので、バス車内は蒸し暑い。

 

あぁ……。しんどい……。
ただしんどい……。
(´д`lll)


もう感想は、ただしんどいだけである。
異国の地を旅してるという感動なんざ微塵も感じない。


出国して半年だし、自分自身そろそろダレてきてるな。
やはりインドに来ないで、もう帰国してもよかったかもしれない……。

 

バンバサの町を出発して、約12時間経過した。

 

長時間硬い椅子に座っていることもあり、最初のうちは痛みを感じていたお尻の感覚が失くなってきた。
痛覚が麻痺しつつある(号泣)

 

夜も更けて、外は真っ暗闇。

バス車内も暗闇に包まれ、浅黒い肌をしたインド人の方々は、この暗闇に完全に同化している。

日焼けしているとはいえ、まだまだ明るい肌の日本人である俺はバス車内では目立つ存在だ。
もしバスが強盗集団に襲われたとすれば、旅行者の自分は格好の餌食である。

 

 

「ひゃっはーッ!!このバスに旅行客が乗ってやがったッ!!」

 

「俺たちツイてるぜ!ひゃっはーッ!!」

 

「おら、外国人の兄ちゃんッ!!命が欲しけりゃ持ち物全部俺たちによこしなッ!ひゃっはーッ!!」

 

「ひえぇぇ〜……!荷物はこれで全部です……!どうかお助けを……!」
ガク((( ;゚Д゚)))ブル

 

金目の物を全て差し出す自分。

 

「ククク……。じゃあもうお前は用済みだぜ!ひゃっはーッ!!」

 

ギラリと鈍く光る刃物を取り出す強盗。

 

「そんな…、約束が……!!」
ガク((( ;゚Д゚)))ブル

 

「ひゃっはーッ!!強盗が約束を守るかッ!死ねッ!ひゃっはーッ!!」


グサリッ!!


ギャアアアアアアアアアアアアアッ!!
(((((( ;゚Д゚)))))

 

(死亡)

 

 

ってな感じになってしまうだろう。
ガク((( ;゚Д゚)))ブル

 

なす術が無い。俺の人生ジ・エンドだ。

実際、今でもほとんど人生詰んでるようなもんだけど(号泣)

 

 

 

まぁ、そんな世紀末染みたことは起こらず、バスはアンバラに到着した。

 

荷物を持って、バスを降りる。

時刻は午前4時前。

街灯などはなく、辺りはまだ真っ暗だ。

 

夜が明けるまで、ここで動かないでいるか……。


歩道にバックパックを置いて地面に腰を下ろす。

自分の周囲には、何人かの路上生活者が茣蓙のような物を敷き、横になっている。

まぁ襲われることはなかろう(多分)

むしろ暗い街中にポツンと一人でいるより、かえって安全な気がする。


それにしても疲れた……。(o´Д`)

 

ローカルバスの長距離移動はやはり体に堪える。

少しだけ寝るか……。


そう思い、バックパックを枕にして仮眠をとろうとした時。

不意に、横にいた路上生活者の男が何かを訴えかけてきた。


「ああぅ……。あぁぅ……」

 

なっ、なんじゃッ!?
ΣΣ(( ;゚Д゚))

 

「ああぅ……。あぁぅ……」

 

男は俺が持っている水の入ったペットボトルを力なく指差す。

 

「え、あ、水か……。おっちゃん水が欲しいのか……?」
Σ(・д・)

 

「ああぅ……」

 

男に水の入ったペットボトルを差し出す。

 

男はそれを受け取り、インド式の飲み方(飲み口に口を付けずに飲む)で水を飲む。
150mlほど飲むと、男は満足した表情で、俺にペットボトルを返してきた。

 

「あぉあぅ……」

 

「あぁ、どういたしまして」


おっちゃんに貸しができたな。

 

もし仮眠中の俺が強盗に襲われるようなことがあれば、命に代えても俺を守ってくれよな。おっちゃん。
(`・ω・´)キリッ

 

そんなことを考えながら、地面に横になった。

 

 

結果。

 

インドの路上で爆睡した。

 

疲れていたのか、2時間近く寝てしまった。

 

荷物を荒らされたり、なにか盗られてるということはない。

横に目をやると、水を分けた男はスヤスヤと寝息を立てている。

恐らく、この空白の2時間の間に安眠中の俺に迫り来る強盗と路上生活者のおっちゃんとの死闘があったに違いない。


「おっちゃん、ありがとうな」
(`・ω・´)キリッ

 

心の中でそう呟いて、俺はバスターミナルへ向かった。

 

………そういえば、あまりの暑さで常にバテバテで、ここら辺の写真を全く撮ってなかったな……。
(´・ω・`; )


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