2016年1月30日

08. 悪魔の酒+オリーブイタリーとの再会

 

 

現在、自分以外に宿に泊まっている人は3人である。
アメリカとオーストラリアで働いていた経験があり英語がペラペラな坊主頭の日本人男性モウリさん。格闘技をやっているので、かなりガタイがいい。
 
同じく英語がペラペラで料理上手な韓国人女性ミシェルさん。

タイ語がペラペラで1日20Km近く歩くやたら元気なおじいさん、クスモトさんの3人だ。

 

 

今日、宿のオーナーのヒロコさんとミシェルさんでラオスに行ってきて、ラオスの村で作られている酒を買ってきたそうだ。

 

大きな瓶に酒が満タンに入っており、太いストローが刺してある。
この刺してあるストローから飲みながら、酒が薄くなるまで水を継ぎ足していくらしい。

 


飲み方はラオスの酒ということで、やっぱり例のラオス式である。

 


モウリさんが言うには、この酒、東京で飲むと30000するそうだ。

 

むむ、そんなに珍しい酒なのか。
Σ(・ω・ノ)ノ

 

ちなみにヒロコさんの話だと、村で買ってくると300円もしないそうだ。

 

日本どんだけ酒税取ってるんだよ。
Σ(・口・)

 

 

さて、では頂こうではないか。

ストローからゴクゴクと勢いよく飲んでいく。

 

プハァッ。
うへー、凄く強いなこの酒。
今まで飲んだことない独特な味だ。

 

ヒロコさんの夫、ラオス人のシンさんも交えての6人での回し飲みをする。

 

 

数十分後。

……ありゃ、頭がフラフラしてきた。(。-ω-)zzz. . .

そのままそこで潰れてしまった。

 

 

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左からモウリさん、ミシェルさん、ヒロコさん

 

 

 

ニャー、ニャー、ゴロゴロ。

 

んー、何だ?左手が温かいぞ?
(*ノД`*)

 

むくっと体を起こす。

宿の飼い猫の目玉焼き(これが名前)が自分の左手を枕にして眠っていた。

 

「あれ、目玉焼きー、お前何処から入ってきた?」

 

周りに目をやると、普通に部屋のドアが開いていた。

 

なんだ、あそこから入って来たのか。
……というより俺どうやって部屋に戻ったんだっけ?( ´д`)
……いかんな、さっぱり記憶に無い。

 


とりあえず、シャワーを浴びようと服を脱いで洗面所に行く。

 

鏡を見ると自分の顔にラクガキされていた。

 


「なんじゃこりゃあッ!!」
ΣΣ(゚д゚lll)

 


……やられた。昨日酔い潰れた後に誰かにラクガキされたようだ。

 

シャワーを浴びて外に出ると、丁度クスモトさんがチェックアウトをして宿を出るところだった。

挨拶をして、モウリさんと駄弁る。

 

ちなみに、顔にラクガキしたのはモウリさんだった。
(*`∧´) ムッキー

 

「昨日大悟が潰れた後、クスモトさんとミシェルとシンはリバースしたよ」

 

モウリさんは笑いながらタバコをふかす。

 

「クスモトさんは俺が背負っていったんだけどさ、トイレの前で急に背中から飛び降りて「ちょっとすみませんっ」って言いながら、便器に顔突っ込んでオエエエエエエッ!だったよ」

 

……半数をリバースさせるとは悪魔の酒だなありゃ。
ガク((( ;゚Д゚)))ブル

 


ちなみに自分はどうやって部屋に戻ったのか尋ねたら、起こしたら普通に歩いて部屋に戻っていったらしい。

 

 

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08_2
メコン川を渡る小舟

 

 

 

この日以降、次々と旅行者がパパイヤウィレッジにやってきた。

いかした熊本弁を操る男性、ユウキさん。アメリカに語学留学していた経験があるので英語ペラペラ。

それと女性のマナミさん。数日前までパパイヤウィレッジに泊まっており、今日戻ってきたとのことだ。ちょっとした用事で(聞いたけど忘れた)チェンライに行っていたらしい。

年金を全く納めていなかったので、「明るい現在、絶望の未来」と言っていた年配の日本人夫婦。

自転車でアジアを回っている西洋人のチャリダー。
等々。

 

とある日の夕方、自分とモウリさんとユウキさんで自転車に乗って、市場に夕食を買いに行った。
適当にお惣菜を買って宿に戻り、皿を並べて晩飯の支度をしていると、陽気なイタリア人の老夫が宿にやってきた。

凄く太い黒い眉毛に、白い顎髭を生やしている顔が特徴的な老夫だ。

 

…………ってオリーブイタリーじゃないかーい!
Σ(・ω・ノ)ノ!

 

「あ、おじいさん!」

 

「ハッハ、また会えるとは思わなかったよジャパニーズボーイ、ビックリだ。ハッハ」

 

オリーブイタリーはチェンコンの町の中心部の宿に泊まっているらしいが、少し騒がしいので、中心部から離れた静かなこの宿に避難してきたと言う。


夕食の時間、部屋から出てきたオリーブイタリーがおもむろにパソコンを取り出し、何やら皆の前で解説を始めた。
ちゃんと聞いていなかったので、よく分からないが、これからパソコンで上映会をするみたいだ。

 

「さ、女性陣はよくパソコン画面がよく見える位置に来てくれ。ハッハ」

 

……これって前にオリーブイタリー言ってた
「オリーブイタリー流 俺の女の口説き方」じゃないか!
06.『ムアンシンウルルン滞在記』参照

 

まさかっ、……口説きたい女性がこの中にいるのか。
∑(=゚ω゚=;)

 

女性と言っても、ヒロコさんとミシェルさんとマナミさんの3人しかいないけど。

 

オリーブイタリー、いったい誰狙いなんだ……!?
…まぁ消去法でいけば、すぐに分かるけど。

 


ヒロコさん……人妻。すぐそこに旦那さんもいる。よってバツ。

マナミさん……女性陣の中で一番若いけど、英語全く駄目。意思疎通計れない。よってバツ。

ミシェルさん……英語堪能。人当たりも凄くいい。よってマル。

 

一般的に考えればこうなるな。

 


「ハッハ。まずはアフリカ大陸うんたらかんたらほにゃららの写真だ」

 

オリーブイタリーの前置きから写真のスライドショーが始まる。

男性陣一同はパソコンから一番離れた場所で、なんだこれ(´・ω・`)?という表情だ。

だがそれは別として、写真のスライドショーは素晴らしいものだった。
様々な国の民族の人間模様を映し出した素晴らしい作品だと言えよう。

 

オリーブイタリーって何気に凄い人だったんだな……。
ただの変態ジジイかと思ってたわ。スマン。

 


「モウリさん、流れている写真、凄いですね」

 

自分がそう言うと、モウリさんはこう答えた。

 

「そうだな。でもイタリア人のじいさんが撮影した写真じゃないらしいぞ」

 

……………ん?

 

「なんか色んな写真家の写真を集めてできた作品だって言ってた」

 

自分が撮影したものじゃないんかい!!
ΣΣ(゚д゚lll)

 

誇らしげに他人の写真を使って女性を口説くのはなんかズルいぞ。
オリーブイタリー。

 

 

その後、オリーブイタリーは
「ミシェル、人きりで話さないか」と、宿泊している部屋の前にある椅子に腰掛け、ミシェルさんと話をする。

 

やっぱりミシェルさん狙いか。

 

70過ぎのおじいさんが30代女性を口説くとは、凄いなイタリア。

 

 

オリーブイタリー、もしかして今夜……

股間のオリーブオイルを炸裂させるつもりか!

 

 

ダイニングスペースとオリーブイタリーの宿泊している部屋は、目と鼻の先である。会話も筒抜けだ。

アウトドア用のリクライニングチェアに横になって、しばらく2人の会話を聞いていたが、途中で眠気が襲ってきた。

 


……眠くなってきたからもういいや。部屋に戻って寝よ。

 


結果は明日聞くとしよう。

 

 

そして翌日の朝。

全く覇気を感じられないオリーブイタリーが宿をチェックアウトしていった。

 


「……ヒロコさん、昨日の結末知っていますか?」

 

「私たちは友達でいましょ、ってミシェルはやんわりお断りしたらしいですよ」

 


ベッドインできなかったのか、オリーブイタリー。

 

じゃあな、ジャパニーズボーイ。ハハハ

 

宿を去っていくオリーブイタリーの背中はどこか寂しげだった。
笑い声も「ハッハ」ではなく、小さい「ハハハ」である。


……さようなら、オリーブイタリー。また会う日まで。

 

 

 

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土建屋の入れ墨男衆。オリーブイタリーの話には全く関係ない。


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